ストウィッチーズ2、8話の脚本について考察する

ストライクウィッチーズ2、8話「翼をください」は、王道の主人公覚醒、新型機お披露目回でしたね。シールドしか能がないと評された(2期6話)ひよっこの(2期8話)宮藤が、劇中最強候補に名乗り出た回でもありました。少なくとも、3期までには震電ジェットエンジンを積むでしょう(笑)。


ところで、今回の脚本については、多少物言いがあったのも事実です。
見つかりやすいところでいうと、
http://yunakiti.blog79.fc2.com/blog-entry-6256.html
↑の>>169「今回なんかキレが悪くなかったか?」などの意見です。


これは、震電登場シーンが唐突であるように思えたところからくるのではないでしょうか。正直、初めて視聴したときに「何もなしに何で新型機が出てくるのか?」と疑問に思い、びっくりしました。


では、なぜ、震電登場シーンが唐突に感じられるような脚本のまま、8話は放映されたのでしょうか?導入は少し長くなりましたが、今回の記事はこのことについて考察したいと思います。


結論から言うと、「2期8話は情報量を詰め込みまくった結果、震電登場シーンを削らないと尺が収まらなかったのでは?」というのが私の提起したい推論です。


なぜ、このような推論に至ったかについて私の考えを、2点にまとめて挙げると、↓のようになります。


1. 震電登場シーンを盛上げるのは脚本的には容易であろうこと
2. 8話には情報量が多く、伝えなければいけなかったことが多いだろうこと
(そして、実際の震電登場シーンは、伝えなければ情報量からして十分なものであっただろうこと)


[1. 震電登場シーンを盛上げるのは脚本的には容易であろうことについて]
はっきり言って、震電登場シーンは、2,3分の書き足しがあれば唐突と感じられることなくすんなりと受け入れられたのだと思います。具体的には、ネウロイのビームにより、海面が大きく揺れる→大和の船体が揺れる→バランスを崩した宮藤が謎のドアにあたって、震電登場(1期2話のセルフパロ)とかでしょうか。リーネのおかげで安全域に移ったというセリフを削除すればそれほど不自然ではないと思います。
つまり、脚本を書く上では震電登場を盛上げるのはそれほど大変だとは思えません。となると、アニメーション製作・進行の都合か、尺の都合かということになるでしょう。しかし、信者っぷりを発揮し、あのストライクウィッチーズに限って、動画が作れないから登場シーンをカットしたとは考えないことにします。
となると、2,3分の書き足しを許さないほど、尺に余裕がなかったのではないか、尺に埋めるために苦渋の決断で登場シーンが削られたのではと私は推論します。


[2. OPを飛ばさなければいけないほど、8話には情報量が多く、伝えなければいけなかったことが多いだろうことについて]
2期8話とはどのような物語でしょうか。それは、「宮藤が挫折し、それをすべての隊員が心配する。そして、宮藤父の意思がこもった新ストライカーユニットにより宮藤が覚醒する。しかし、これにより、宮藤が一人前になったと坂本が気づき、また、大和艦長の言により来る決戦が予兆される。」という物語です。さらに、ストライクウィチーズらしく最後は落とさなければいけません。
つまり、繰り返しになりますが、今回伝えるべき情報は、①宮藤の挫折は全員の心配事である、②宮藤の覚醒は巣立ちでもある、③宮藤父は依然、重要な人物である、④決戦が近く、大和は使える(リーネの銃撃との比較から)、⑤でもストライクウィッチーズ、とかなりの分量です。
特に①がつらく、下手をするとファン離れを起こすことから、前半部はキャラを描くことに集中せざる得ません。そして、後半では、いったん危機に陥いり、勝利後、ラストは落とさなければいけませんから、震電の登場シーンを丁寧に描くことは時間的にどんどん厳しくなります。この結果、震電の登場は、③を表せれればそれでいいということになったのではないでしょうか。唐突に震電が登場しても、宮藤父と関わりがあるのならばファンが妄想してくれるはずですし、ご都合ととられるのも覚悟の上ではなかったかと。
やはり、唐突な震電登場は、情報量が盛りだくさんであった都合による、やむを得ぬ処置だったのではないでしょうか(OPを削っても入れられなかったほど)


改めて結論づけると、震電登場シーンの唐突さは尺の都合上、やむをえない処置であり、それは、伝えるべき情報量があまりに多かったためではないか」というのが私の推論です。
ま、正直、私の震電の登場シーンの疑問など、あの大魔方陣を見てぶっ飛びました。さらに見返すと、ストライカーユニット不動作、前は扶桑人形、次は…?という発言、ほうきが壊れるなど、伏線が多くさらっと出しても特に違和感ない人の方が多かったかもしれません。