僕ら手製のアイドルというアイドル女性声優文化の明確な終焉について―最近の女性声優のスキャンダルについて思うこと―

2011年10月7日という日は第4次?声優ブームにとって明確な区切りの日となっただろう。


週刊ミュージックレイン Web版と名付けられたサイトが、10月6日夜に戸松遥に関する熱愛疑惑記事をアップロードし、この明確な不法行為であろう隠し撮り行為、異様なまで緻密な取材についてネット上に激震が走る中、つい先ほど、豊崎愛生に関する同棲疑惑記事が同サイトにてアップロードされた。


問題の本質は、多くの「アイドル女性声優」(この用語を厳密に定義することは避ける。ここでは2000年代中後半のアイドル声優ブームが対象。清水愛辺りの時代から)が処女じゃない(血涙)ということではない。アイドル女性声優のスキャンダルが食い物になるほどアイドル女性声優の市場が拡大したことを認めなければいけないこと、以後、スフィア程度に人気が出たアイドル女性声優全てがこの種のリスクにさらされる得るということが問題の本質だ。




今回の問題の怖い点は、流出者の身元がはっきりしないこと、どのような意図がこの流出に込められているのかよく分からないところにあるだろう。ファン・身内の私怨という線も捨てきれないが、スフィア関連の話題に関する限り、ミューレ自体をゆすろうと考えている反社会的集団によるものとも考えられる。こうしたリスクがあることを周知させ、この予防という形でなんらかの妥結、利益を引き出そうという不法集団の意図を読み取ってしまう。


重要なのは、この業界がそうした勢力となんらかの関わりを今後持ってしまうだろうというファンの意識の変化が起こるのではないかという点だろう。


枕投げを行い、アイドル女性声優は社長とやってんだろだとか、誰これの女性声優の所持品と他男性声優の所持品が同じだから付き合っているのに違いないというちびっこネット探偵の時代は終わった。


アイドル女性声優文化にあった、マイノリティであるという自己規定であるがゆえの女性声優を見守り続けているんだ感、そんな彼女らがマイノリティであるのに武道館を埋めてしまうことに彼女らと一緒になって戸惑ってみせ、かつそれを最高に盛り上げようとしてしまう一体感。高度成長の時代に似ているであろう、マイノリティであったものがマジョリティ(それがネット上であったとしても)になるであろう転換期に立たされているのだ感、そして僕らはその当事者なのだという高揚感に酔いしれていた時代は今日今までで終わったのかもしれない。




今日確定したのは、繰り返しになるように「アイドル女性声優」というものが、真実の追求という名を騙った人権侵害の不法行為を誘発するほどに、スキャンダルの対象として価値をもつことになったということであり、これを防止するためになんらかの手打ちがあるのかもしれないと邪推が働くということである。結局のところ、いわゆる芸能界と同じではないかという疑惑が確信へと変わる日になったということである。


枕なんてやったって声優業界自体金ないんだから意味ないよー。という意見は全くもってその通りだと思うが、昨日までは枕さえなければ声優業界はピュアであるというイメージを騙れたのではないだろうか?しかし、今日からは違う。枕もありうるし、反社会的な集団からも狙われうるし、まぁ、芸能界と同じダーティさなのだ(もちろん、これは主観的であって、実際には金はなさそうなんだからダーティさも大したことはない)。


類推ゲームのようなちびっこ探偵業ではなく、直接的な暴力行為によって「真実」とやらが見せつけられるのだ。つまり、アイドル女性声優は手塩にかけて育てようとも、人気が閾値を超えた瞬間、金目当ての強行な不法行為によって、清純なアイドル像が破壊されるのはもはや覚悟しなければならないのだ。




平野綾に御三家という実態から離れた理想像を押し付けていた時代などはぬるかった。
http://anond.hatelabo.jp/20110918011129 たまに匿名で書いてます)
もはや、アイドル女性声優なのだから我々をだます義務はありますよねとなどとは言っていられない。本人が騙そうと懸命に努力したところで、男関係が存在したならばそれは暴かれるのだ。


全くもって、地下アイドル的ものに引き寄せられる層、ある地下アイドルと一緒になって成長し、ま、地下アイドルなので人気が出たといっても大衆認知はたかが知れていて、パパラッチを引き寄せることはなく、実際には誰か付き合っている人はいるんだろう(というより、いてほしい)けど、それは出さないでほしいという地下アイドル穏健派層、実は最大派閥であろう層にとって、今回のミューレ騒動は大事件となっただろう(僕はそこまで声優ファンでも、地下アイドルファンでもないので実際はよく分かりませんが。多分こういう層はこうじゃないのかなと思い、そして、それにシンパシィを感じるからこの記事を書いているのだと思います)。


もはや、選択の時が迫っているのだろう。唾棄するべき人種と思っていた処女厨かつそれを女性声優に押し付けようとする狂ったエゴイスト集団に身を投じるというのも手なのかもしれない。あるいは、日本に常にあったアイドルファンと同じく、スキャンダルはいつかでるもの、芸能人と自分は明確に違うという線引きをわきまえた王道スタイルに転じるのも手だろう。


しかし、地下アイドル的ものに引き寄せられる層にとってこのどちらも選択はできないはずだと思う。となると、声優は好きでもアイドル的なことは大々的に行ってほしくない立場をとるとか、あるいは違う地下アイドル要素を持つものに転向する他ないのかもしれない。




どのような選択をおこなうにしても、今日という日はこういえるだろう。
僕らが作り上げてきた地下アイドル的な要素をアイドル声優文化というものは、ついに地上に出てしまった。僕らはそれを2,3年前から知っていた(個人的には、ニュー速VIPブログが再開し出した時からなんとなく感じてた)。しかし、この2,3年間とはこうした文化を総決算する黄金期(御三家とか)でもあり、僕らは作り出してきた文化が広まることに満足を感じていた。


であるけども、ついに今日、全てが終わってしまった。
僕らが目一杯応援する結果、ファンの思いあまりなどというものでなく、
無機質で、どす黒い暴力が応援する対象に降りかかるのだ。
僕らはそれに耐えられるのだろうか。






追記:まさかのニュー速VIPブログ管理人の主張とだだ被りってことで(http://blog.livedoor.jp/insidears/archives/52497250.html)、ちょいびびった。2分こちらの方が早かったなw彼が恋愛童貞的な相手のことを完全に分かったつもりになり、コミュニケーションを取ろうともせず、ただ盲目的な自分の愛を語る感じは、意図的にやってるのか、真性なのか気になるところ。ま、ともあれ僕ら(初代や無数の声優ファン)は僕らの文化を破壊する物をおびき出すくらいまでに、大切で閉鎖的で小さな世界を僕らの狂信性により拡大させすぎてしまった。